子ども美術学校①友だちの顔をかく

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飯田下伊那の小学校4年生から6年生を対象とした絵画・工作の基礎講座、子ども美術学校。(地域ゆかりの作家 菱田春草の学んだのが「東京美術学校」なのが名前の由来だとか何だとか)

今年度も開校しました!

第1回目は「友だちの顔をかく」がテーマ。

隣の席の、はじめましてのお友だち。顔をよ~くみる。
かたちや色を発見するつもりで、よ~くみる。

まずは黄色のチョークのはらを使って、もあもあ と大きく形をとらえます。
普段とちょっと違う描き方に、ワクワク、ちょっと緊張。

つぎに、黒色のパスで線描きをします。息の長い一本線で、カタツムリのはやさで。力強くかく線・弱めにかく線を使い分けながら。
みんな真剣、お友だちの顔から目をはなさずに描きます。

交代でお互いの顔をとらえた後は、色塗りです。よ~くみたときに感じた色を6色以上パレットに出して、混ぜてまた色を作ったら、とんとん、と筆先で色を置いていきます。気分は印象派の画家?色の重なりも、全体の色合いも、楽しみながら塗っていきます。


いい色ができた!とんとんとん…


「日焼けしてるからすごく赤く見えるよ!」
「まぶたのところにすこしみどりがある!」

お互いの顔をよくみながら描いていくうちに、自然と打ち解けていきますね。

 

個性豊かなお友だちと、楽しい美術学校になりそうな予感!

1年間よろしくお願いします☺

 

(美術部門 加納向日葵)

【2/11から開館します】美術博物館でのさまざまな学習

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美術博物館の1月~3月は、市民の学や研究の成果を発表す場となっています。本年度も「藤本四八記念小中高校生写真賞作品展」や「子ども美術学校作品展」「びはく学芸祭」など予定していましたが、コロナウイルス感染防止のため休館となってしまいました。

ようやく2月11日(金)より開館することになり、これらの展示をご覧いただけるのですが、多くが2月13日(日)までの予定でしたので、わずか3日間しか期間がございません。そこで一部の展示については会期を延長します。

さまざまな世代が、さまざまなことを学び、発表する。観覧を再開する美術博物館で、豊かな学びの姿をぜひご覧ください。

各展示については、それぞれの案内をご覧ください。

「子ども達の名画鑑賞学習展」

「藤本四八記念小中高校生写真賞作品展」

「子ども美術学校作品展」

「びはく学芸祭」

(美術部門 槇村洋介)

【期間限定公開】子ども達の名画鑑賞学習展

インフォメーション ブログ 今日の美博

感染警戒レベルが引き上げられたことをうけて、飯田市美術博物館は1月11日からしばらく臨時休館していました。

この臨時休館期間に、会期がほとんどかぶってしまった

     複製画でみる春草の名画
―子ども達の名画鑑賞学習展―

から、子ども達の名画鑑賞学習展の内容をご紹介します。

(本投稿の一部は、2022年3月21日までの限定公開となります。)

本展示では、昨年秋に開催した 没後110年特別展「菱田春草-故郷につどう珠玉の名画-」 の際に、地域の子ども達が鑑賞し学んだ様子をご紹介しています。

子ども達が、飯田ゆかりの画家である菱田春草の名画と出会い、感じたことを表現した成果を、web上ではありますがお楽しみください。

 

当館は2月11日に再開します。菱田春草記念室での展示(観覧料無料!)は2月13日で終了しますが、この会期後の2月19日~3月21日に、美術博物館のロビーにて、形をかえて展示します。ぜひご覧ください。

①学校団体の展覧会鑑賞支援


②中学生ワークショップ≪雨中美人≫のぬり絵に挑戦

参加者のみなさんの作品と感想




③菱田春草の名画鑑賞作文コンクール

受賞作品はこちらからご覧いただけます。↓
菱田春草の名画鑑賞作文コンクール 受賞作品集


④学校と美術博物館の連携による鑑賞学習

6年生のみなさんがつくったパンフレット

(美術部門 加納向日葵)

没後110年菱田春草展 後期展示がはじまりました!

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飯田市美術博物館で10月9日よりはじまった、没後110年特別展「菱田春草 ―故郷につどう珠玉の名画-」

10月24日(日) をもって前期の展示が終了しました!

 

あっという間の二週間。たくさんの方にお越しいただき大盛況の前期でした。普段画集でみるあの作品たちがみんな並んでいる…!というような、春草の名画が故郷につどった展示でした。

特に、前期のみ展示の重要文化財《黒き猫》は、ご来飯が53年ぶりということで、「楽しみにしていた!」「みることができてよかった!」と多くの方からうれしいお声をいただきました。

 

さて、本日10月26日より、後期の展示が始まりました!

春草の珠玉の名画勢ぞろい、というテーマはそのままに、13作品を入れ替え、展示室の雰囲気はがらっとかわりました。

そして後期の裏テーマはずばり「古典引用」!よりディープに春草を知ることができる展示です!

 

明治日本画の革新者である春草の制作方針は、思想家 岡倉天心の言葉から影響を受けています。

「先づ日本美術の歴史的根拠を牢くし、さて後西洋美術の精華をも参酌せしめんと欲する也」

日本美術の古典をよく研究し、そこから学んだうえで、西洋美術の良い部分を取り込んでいく。そうして新しい日本美術、日本画をつくっていく… 春草の作品はどれも新しい挑戦が込められていますが、そのベースには常に日本美術の古典引用があったのです。
名品の背景にある古典引用と新たな挑戦は一体どんなところなのか。じっくりご覧になって考えてみたり、ヒントが欲しいときはキャプションをお読みになったりして、春草のあくなき探求心、制作の意図を、感じていただけたら幸いです。

学生時代から最晩年まで、代表的な作品を網羅し、春草の制作の変遷をたどることができる特別展。この機会にぜひご覧下さい!


(ここだけの話、《黒き猫》がおやすみになった後期、いまのところ前期よりかなりすいています。春草の作品をじっくりたっぷりご覧になるチャンスですよ!)
※混み合うことが予想される団体来館の時間はこちらのリンクからご確認ください。
 菱田春草展■学校観覧などで混み合う日時の情報

 

(美術部門:加納向日葵)

 

 

菱田春草《雨中美人》(未完成)が飯田市有形文化財に指定されました!

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令和3年9月17日、飯田市に新たな有形文化財が登録されました!

飯田出身の日本画家、菱田春草の未完成作品《雨中美人》です。

 
菱田春草《雨中美人》(未完成) 明治43年

 

和傘をさした女性たちが、談笑をしながらゆっくり歩みをすすめている様子が描かれています。ほとんどがまだ下書きの状態で、一部着彩を進めたところでとまっています。

この屏風は、明治43年、第4回文部省美術展覧会(文展)に出品するために制作をはじめました。
前年度の第3回文展の際に、《落葉》を出品し、世間から高く評価された春草は、さらに新しい日本画の表現を目指してこの屏風作品に挑戦しました。暑い夏の日に妻の千代にモデルとなってもらいながら、様々なポーズと角度で和傘をさした女性のスケッチや小下絵を描き、時間をかけて準備しました。そして満を持して本制作に取り掛かったのですが、着物の色が思ったようにいかず、中断してしまいました。
しかし文展には何か作品をださなければならない、提出期限も迫っている、そんな時に、これまでの研究や経験を注ぎ込んで集大成のように描いたのが《黒き猫》でした。

《雨中美人》の過程があったからこそ、《黒き猫》にたどり着いた、という点でもとても意味のある作品ではありますが、《雨中美人》の素晴らしさはそれだけではありません。
未完成ながら、展覧会出品をめざして春草が描いていたこと、制作の過程が明らかなこと、晩年の春草が目指していた新しい日本画の姿を推測できるとても貴重な作品です。

また、日常の幸せな一場面をきりとったことや、女性らしい朗らかさやしなやかさを表現していること、顔が見えているのは一人だけでも女性たちの立ち姿から楽しく談笑している姿を想像できるその表現力、そして人物の配置や和傘の丸などの幾何学的な構図の面白さや新しさ…
挙げるときりがないほど魅力が詰まっている作品です!

《雨中美人》は、令和3年10月9日から開催の没後110年特別展「菱田春草 -故郷につどう珠玉の名画-」に展示予定です。

春草の制作への熱量や繊細な筆づかいを感じたり、
完成していたら着彩は、背景は、雨の表現は、そして日本画の現在は、どうなっていたのだろう…?と想像をしてみたりしながら、ご覧ください。

 

(美術部門 加納向日葵)

9月9日は重陽の節句です❁

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9月9日は五節句のひとつ、重陽の節句です。菊の節句とも呼ばれ、無病息災や長寿を願う日です。菊は古くから邪気を払い長寿の効能があると信じられていました。

春草の作品にも、菊にまつわるものがあります!


菱田春草《菊慈童》
明治33年 飯田市美術博物館蔵

当館所蔵の長野県宝《菊慈童》です。長寿のおめでたい画題として知られている菊慈童を、山の深さや時間の流れを感じる景色にぽつんとひとり配する構図から、春草が独自の視点で物語をとらえて描いたことがわかります。

この作品では、輪郭に線を使わず、色を重ねたりぼかしたりすることで空気を描く、当時の日本画において革新的な描き方を用いました。「朦朧体」と批判をうけますが、山の奥深さや神秘的な空気を描くことには成功しています。

 

10月の特別展で展示予定なので、ぜひご覧ください。
菊に無病息災と長寿の願いをこめて、穏やかな一日をおすごしください。

 

(美術部門 加納向日葵)

春草展特集が[広報いいだ]に掲載されました!

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長野県飯田市の広報誌、「広報いいだ」の2021年9月1日号の特集ページに、10月の特別展の特集記事を掲載していただきました!

 

表紙には、今回展のメインビジュアルをつとめて下さっている、重要文化財《黒き猫》が。

広報いいだの本号では、重要文化財《黒き猫》の誕生秘話を紹介しています!《黒き猫》が完成するのには、飯田市美術博物館が所蔵している未完成作品たちが大きなカギを握っていたとか…!?

 

さらに、春草と故郷飯田の関わりのエピソードや、春草が生きた時代を感じることができる飯田丘の上春草探訪MAPなど、飯田ならではの視点で春草にせまっています。

特集のページ以外にも、「菱田春草没後110年特別展 関連事業」として様々な行事が紹介されています。

ぜひご覧ください!

 

広報いいだweb book版
https://www.city.iida.lg.jp/book/list/book515.html

 

(美術部門 加納向日葵)

【予告】菱田春草の特別展を開催します!

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本日、美術博物館のホームページにて、今年の秋に開催予定の特別展

【没後110年特別展 菱田春草 -故郷につどう珠玉の名画-】

の情報を公開しました!

令和3年(2021年)は、飯田出身の日本画家 菱田春草(1874~1911)の没後110年という節目の年にあたります。

故郷にある飯田市美術博物館では、これを記念した特別展を開催します。春草の名画が日本各地から集まる、美博開館以来最大規模の特別な春草展となる予定です。

詳細はホームページの[開催中の展示と予告のご案内]をご覧ください。

 

また、9月は春草と縁の深い月です。9月中、展覧会の情報と合わせて、春草のことを今よりちょっと知ることができるような話を、時々ご紹介します。

 

(美術部門 加納向日葵)

 

 

たのしい工作?

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今月6日土曜日からはじまるトピック展示「耿之介と三島由紀夫、岸田國士」の展示作業をしました。

この展示、本当は先月8日から始まる予定だったのですが、長期閉館を余儀なくされたこともあり、1か月遅れのスタートということになりました。

久しぶりに展示室に籠り、ちまちまと孤独に展示物を並べる作業をしていたわけですが、カラダを動かして何かモノを作り上げていく作業というのは楽しいですね。

今日は、いらなくなったキャプションの切れ端で、書物を見せるための演示具も作成。

書物を展示するための自作の演示具
書物を展示するための自作の演示具

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

写真に写っている書物は、昭和13年に刊行された『院曲サロメ』という限定150部しか作られなかった稀覯本で、本書は著者のみが所有する番外本。ぼくのキライなヘビの皮を表紙に張り付けたシロモノなのですが、中身は19世紀末のイギリスの画家O・ビアズレイの挿絵が印象的で、できれば書物の中身と表紙を同時に見られるようにしたいな、とにわかに思い立って手元にある材料を使って工作を始めた次第。

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こんな地味な作業に没頭しているとき、「学芸員って(自分にとって)天職なんじゃないか?」と思ったりするわけです。

織田顕行(人文担当)

【自然】自然展示室のパネル、リニューアル中!

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昨年7月にリニューアルオープンした自然展示室(常設展示)ですが、燻蒸作業の臨時休館を利用して、パネルの修復を行っています。

このパネルは昨年のリニューアル時、原図が失われていて新しくすることがかなわなかったのですが、自然分野にフォトショップ手練れのスタッフが加わったことで、スキャニングして修復することが可能になりました。

現在、退色した色の復元や、研究の進歩によって変わった年代などの修正を行っています。

6月6日の開館に間に合うよう、急ピッチで作業中です。
新しくなったパネルをぜひ見に来ていただき、どこが変わったか確かめてみてください。

四方圭一郎(生物担当)