【春草展示第39期】ミニ解説②《鹿》

ブログ

11月12日から、菱田春草記念室 第39期 西洋美術との出会い-春草の海外遊学-を開催しています。展示中の作品から1点ご紹介します。


菱田春草《鹿》
飯田市美術博物館蔵

インドから帰国した後の作品です。水辺に立つ鹿を、写実性を重視して描きます。鹿の表情は厳しく、精神性をも感じさせます。背景には明るい色彩を施し、明快な画面に仕上げています。朦朧体期の初期の課題であった色彩の混濁を解決するために、画面の明瞭化を意識していることが分かります。

菱田春草記念室 常設展示 第39期 西洋美術との出会い-春草と海外遊学-は12月11日まで。ぜひご覧ください。

(菱田春草記念室担当)

【春草展示第39期】ミニ解説①春草の海景図

ブログ

11月12日から、菱田春草記念室 第39期 西洋美術との出会い-春草の海外遊学-を開催しています。展示中の作品から、今回は未完成の作品群をご紹介します。


未完成の海景図
全て飯田市美術博物館蔵

明治37~8年のアメリカ・ヨーロッパ外遊期、春草は海景図を多く試みており、水や波の表現を課題とていたようです。船の上で眺めた海の景色や、西洋美術の海景図に感化されたのでしょう。朦朧体の描法に、西洋美術からの写実・色彩・光の表現などの学びを加えつつ、叙情性豊かな風景画を試みました。残された未完作からは、水の動きや色を描く研究の過程を見ることができます。

菱田春草記念室 常設展示 第39期 西洋美術との出会い-春草と海外遊学-は12月11日まで。ぜひご覧ください。

(菱田春草記念室担当)

みんなで見ました!「皆既月食観望会」11.8 

プラネタリウム ブログ

皆既月食は、皆様楽しまれましたか?
プラネタリウム天歩では「皆既月食観望会」を開催しました。
22 名の参加者様と「飯田お月見天文同好会」「天文ネットワーク」の皆様にもお手伝いいただいて、無事終わることが出来ました。
5時から受付して、ワクワクしながら集まってくださった星好きの皆様達と月のかけていく様子を見ていきました。

皆既月食 5分おき
皆既食前の部分月食の様子(5分おきに撮影) プラネタリウム係川手 撮影

 

望遠鏡をのぞき、間近に見る月はいつもの月よりも存在感がありました。
小さなお子様から、70代まで、とても楽しんでいただけました。初めて参加した方から、みんなで一緒に見るから楽しいというお言葉!企画した甲斐がありました。

今回の天王星食は、皆既月食中におこる惑星食としては442年ぶり。
日本中でも話題になり、見た方も多かったことでしょう。
次回は2344年7月26日の土星食です。
さて、その時人類は存在しているのでしょうか・・・?

2022.11.8 皆既月食
18:25 かけ始め プラネタリウム係 牧島撮影
20:01 食の最大後 プラネタリウム係 牧島撮影

デジカメではオートでしか撮影したことのない私でしたが、初めてM !! にダイアルを合わせ撮影してみました。これも、かなりドキドキ体験でした。まだまだ、修行中です。( ´∀` )Y.M

 

【春草展示第38期】ミニ解説④《猪図》

ブログ

10月8日から、菱田春草記念室 第38期 故郷の足跡-春草と飯田-を開催しています。展示中の作品から1点ご紹介します。


菱田春草《猪図》
明治44年(1911)
飯田市美術博物館蔵

飯田下伊那の新聞「南信」が明治44年元旦号の付録に、春草が描いた干支である猪図の印刷物をつけました。本図はその原本で、野辺にくつろぐ猪を水墨で描いています。春草が生きた最後の年の作品です。
「南信」は《落葉》《黒き猫》などで世間からの評価が高まる前から、地元出身の画家である春草を応援していました。明治35年の創刊号には、春草の梅の絵を掲載しています。

菱田春草記念室 常設展示 第38期 故郷の足跡-春草と飯田-は11月6日まで。故郷飯田ならではの展示を通して、春草の横顔を感じていただけましたら幸いです。

(菱田春草記念室担当)

【春草展示第38期】ミニ解説③《白き猫》

ブログ

10月8日から、菱田春草記念室 第38期 故郷の足跡-春草と飯田-を開催しています。展示中の作品から1点ご紹介します。


菱田春草《白き猫》
明治34年(1901)
春草会蔵 飯田市美術博物館寄託

明治34年9月に春草が飯田へ帰省した際、母校である飯田学校の同窓生から依頼を受けて制作した作品です。帰京後に着手し、10月に飯田学校同窓会へおくられています。その後飯田の「春草会」へ寄贈され、現在は同会より当館へ寄託となっています。

猫は春草が多く描いた画題のひとつです。本作は春草の猫の中でも、特に威厳のある表情をしています。頭と尾に黒班を持つ白猫は、伝徽宗《猫図》を参照しているでしょう。春草は明治29年に《猫図》の模写をおこなったと言われており、その際に接した作品が持つ気品を、彼なりに再現したものが《白き猫》と考えられます。
朦朧体の画風を用いながら色彩を明瞭化し、写実性を重視する院体花鳥画の様式や、琳派の技法を取り入れて描いています。常に新しい表現を目指して挑戦を込めた作品を描く、春草の制作姿勢が伝わります。

菱田春草記念室 常設展示 第38期 故郷の足跡-春草と飯田-は11月6日まで。故郷飯田ならではの展示を通して、春草の横顔を感じていただけましたら幸いです。

(菱田春草記念室担当)

2023年菱田春草カレンダー 発売!

インフォメーション トップニュース

飯田市美術博物館所蔵の菱田春草作品を、1年間通してお楽しみいただける「春草カレンダー」。

2023年版は、春草の表現の細部に迫ることができる拡大図版を掲載しています。季節ごとに春草の名品をお楽しみ下さい。

2023年菱田春草カレンダー(2023年1月〜12月、2ヶ月1頁 全6頁)

税込1000円

飯田市美術博物館 ミュージアムショップにて販売

郵送での購入をご希望の方は、電話(0265-22-8118)へお問い合わせください。

  

【春草展示第38期】ミニ解説②《漁舟図》

ブログ

10月8日から、菱田春草記念室 第38期 故郷の足跡-春草と飯田-を開催しています。展示中の作品から1点ご紹介します。


菱田春草《漁舟図》
明治34年(1901)
飯田市美術博物館蔵

春草は、明治34年9月に飯田へ帰省しています。この帰省は、盟友・横山大観を連れてのもので、一緒に頒布会や天竜川下りをしたそうです。この際に、春草と大観が飯田にて多くの扇面を描いたという伝承があり、本作はそのひとつと考えられます。速筆で、簡素ながら情緒ある景色を描いています。

菱田春草記念室 常設展示 第38期 故郷の足跡-春草と飯田-は11月6日まで。故郷飯田ならではの展示を通して、春草の横顔を感じていただけましたら幸いです。

(菱田春草記念室担当)