柳田國男館
開催中の展示と予告のご案内

菱田春草常設展示

「落葉」から「黒き猫」へ
―複製画で見る晩年の名画―

2022年12月17日(土)〜2023年2月5日(日)

会場:菱田春草記念室

明治7年(1874)に飯田・仲ノ町に生まれた菱田春草は、開設間もない東京美術学校(現東京藝術大学)へ進み、新しい日本美術の創造に生涯を捧げました。明治30年代には輪郭線を排除する革新的な画風「朦朧体」を試み、画壇に大きな衝撃を与えます。また40年代の装飾性を重視した画風は、日本画が進むべき道筋を示しました。腎臓を害して眼病に苦しみ、満36歳で夭折するという短い生涯でしたが、彼の活躍なくしては日本画の近代化はあり得なかったといえるでしょう。明治時代以降の画家では最も多い、4作品が重要文化財に指定されていることも特筆されます。

今期の展示では、重要文化財《落葉》《黒き猫》の2点を複製画で紹介します。空間表現の研究をした《落葉》と、写実性と装飾性が調和した春草の画業の集大成《黒き猫》。この2点が誕生するまでの過程を、スケッチや下絵類、未完作の《雨中美人》《黒き猫》などを通して探ります。春草の晩年の名画を、親しみをもってご覧いただけましたら幸いです。

主な展示作品

菱田春草《黒き猫》未完成
明治43年 飯田市美術博物館蔵

コレクション展示

版画 ーイロとクロー

2023年2月4日(土)〜3月12日(日)

会場:展示室A

今回の展示では、当館の所蔵品や日夏耿之介コレクションから、版画作品を紹介します。

江戸時代、日本では浮世絵版画が隆盛していました。しかし明治維新により西洋から銅版や石版の印刷技術が移入され、浮世絵版画は衰退していきます。やがて明治40年代、洋画家の中から「自画・自刻・自摺」による創作版画の運動がスタートします。これは従来の絵師・彫師・摺師の分業ではなく、一人の作者が全てを行うことで芸術家の創造性を発揮しようとするものでした。こうして版画は再び注目されるようになり、以後は様々な版画家たちを輩出していきます。

版画は、インクを摺り取るという性質上、色彩にかかる比重が大きくなります。たとえば長谷川潔は漆黒の深みを求めてマニエール・ノワールの技法を研究し、オノサト・トシノブは明瞭な色面を求めてシルクスクリーンを試みました。本展では彼らがみせるイロとクロの世界をお楽しみいただきます。

コレクション展示

藤本四八 -画室訪問-

2022年12月17日(土)〜2023年3月12日(日)

会場:展示室B

藤本四八は、明治44年(1911)に飯田市松尾に生まれた写真家です。上京したあと広告写真家として活動をはじめ、昭和12年(1937)に「日本工房」に入社し、日本を海外に宣伝する雑誌のカメラマンとして活動し、戦地にも従軍しました。従軍から帰国し訪れた奈良で古仏に出会い、仏像写真を撮り始めます。戦後になって土門拳・入江泰吉らとともに仏像写真というジャンルを開拓し、昭和28年に『日本の彫刻』(美術出版社)で毎日出版文化賞を受賞しました。また、昭和40年に出版した『装飾古墳』(平凡社)で日本写真協会年度賞・毎日出版文化賞・アサヒカメラ年度賞を受賞しました。以後、仏像のみならず、日本の美や信仰をテーマにした写真集を次々と出版しました。

平成7年(1995)に、戦後に撮影されたほとんどのフィルムを作者ご自身から当館にご寄贈いただきましたが、今回はその中から、芸術家たちのアトリエを訪問し記録した写真を紹介します。これらは主に、藤本四八の兄・韶三が主宰した美術雑誌『三彩』に連載された「画室訪問」のために撮影されたもので、韶三がインタビューして訪問記を書き、四八が写真を撮りました。韶三は、『アトリエ』『画論』『みずゑ』『三彩』『古美術』などの美術雑誌の刊行に携わり、昭和の美術界の発展に出版界から寄与しました。作家たちを援助し交流を深めた藤本兄弟による訪問記は、昭和期の貴重な芸術家の記録といえるでしょう。

主な展示作品

藤本四八撮影《安田靫彦》

自然トピック展示
南アルプスのアンモナイト化石

会期:2023年1月31日(火)〜6月4日(日)
会場:自然常設展示室トピック展示コーナー

大昔の海に住んでいた生物「アンモナイト」。じつはその化石が、雄大な南アルプスの中で見つかります。
この展示ではアンモナイトの生態や進化にはじまり、南アルプスから見つかるアンモナイトを中心とした、化石とそれらを取り巻く人々の活動を紹介します。

人文トピック展示
伊那谷を襲った近世の2つの地震

―遠山地震・安政東海地震―

会期:2022年12月17日(火)〜2023年3月12日(日)
会場:文化常設展示室トピック展示コーナー

近世期に生じた地震は伊那谷に大きな被害を与えました。本展示では、主に、享保3年(1718)の「遠山地震」と安政元年(1855)の「安政東海地震」の二つの地震を取り上げています。とくに安政東海地震後の飯田城での被害や、震災後に飯田藩が遠山地震の被害絵図を参照していたことも明らかになりました。また、地震後に出版され、飯田藩士の家の伝わった瓦版なども紹介しています。

【予告】特別展 美術と風土
アーティストが触れた伊那谷展

2023年3月25日(土)~4月16日(日)
*飯田市美術博物館における会期。以降巡回予定。

本展は、近畿・東海・伊那谷などで活動してきた美術館の学芸員や画廊主などで構成された実行委員会によって、同地で活躍する造形作家20名を選び、その作家たちに実際に伊那谷を訪れてもらい、そこからインスピレーションが得られた作品や、作家自身が選んだ作品を構成した展覧会です。作家と鑑賞者そしてそれらの仲介をつとめた者たちがお互いに交流を深め、新たなるものを生み出す一つの気風を作り出すことをめざすものです。伊那谷の飯田からはじまり、辰野・愛知碧南・京都・大阪豊中などの各館で巡回展示を行います。

美術と風土 アーティストが触れた伊那谷展

【出品作家(五十音順)】
一瀬大智・今井裕之・岩井晴香・海野厚敬
占部史人・奥中章人・梶川俊一郎・川島渉
坂井淑恵・柴田知佳子・中島麦・中谷ゆうこ
永原トミヒロ・西久松綾・野嶋革・野原都久馬
蜂谷充志・林繭子・宮田彩加・山田純嗣

主催:飯田市美術博物館(飯田市美術博物館会場のみ)・公益財団法人 きょうと視覚文化振興財団
後援:信濃毎日新聞社・中日新聞社・南信州新聞社・飯田ケーブルテレビ・飯田エフエム放送(いずれも飯田市美術博物館会場のみ)

【巡回一覧】
3月25日~ 4月16日:飯田市美術博物館

4月29日~ 6月4日:辰野美術館
6月16日~ 7月 7日:豊中市立文化芸術センター

7月16日~ 8月13日:白沙村荘 橋本関雪記念館
9月 5日~10月9日: 碧南市藤井達吉現代美術館

プラネタリウム天歩 Tempo

菱田春草コレクション

トップニュース

2月11日■自然講座「高山植物ものがたりー花、果実、種子、芽生え ときどきふしぎ発見!ー」(要申込)

講座 トップニュース

講師:千葉悟志さん(市立大町山岳博物館学芸員) 日時:2023年2月11日(土・祝) 午後1時30分〜3時 会場:美術博物館 講堂 定員:50名(申込先着順) 申込:1月28日9:30〜電話で受付ます(0265-22-8 […]

続きを読む

2月5日■令和5年度 市民ギャラリー会場使用抽選会

インフォメーション トップニュース

新型コロナウイルス感染予防対策を行ったうえで、令和5年度飯田市美術博物館市民ギャラリー会場使用抽選会を開催します。 必ず、下記「◆詳細情報◆」をクリックして、注意事項、当日の手順を事前にご確認のうえ、ご参加ください。 期 […]

続きを読む

1月27日-2月12日■子ども美術学校・中学生造形教室作品展

インフォメーション トップニュース

小学校3年生から6年生を対象とした絵画・工作の基礎講座である「子ども美術学校」、および中学生を対象とした美術講座「中学生造形教室」の、生徒の皆さんの作品を展示します。1年間の授業の中で、個性豊かな作品たちが完成しました。 […]

続きを読む

1月15日〜2月12日■藤本四八記念 小中高校生写真賞作品展

インフォメーション トップニュース

飯田市美術博物館では、飯田下伊那の小中高校生を対象とした写真賞をおこなっています。本年度は95点の応募作品が集まりました。受賞作品とともに、応募いただいたすべての作品を美術博物館ロビーで展示します。 期間:2023年1月 […]

続きを読む

続きを読み込む

これ以上は投稿がありません

ブログ「美博日誌」