【春草展示第39期】ミニ解説②《鹿》

11月12日から、菱田春草記念室 第39期 西洋美術との出会い-春草の海外遊学-を開催しています。展示中の作品から1点ご紹介します。


菱田春草《鹿》
飯田市美術博物館蔵

インドから帰国した後の作品です。水辺に立つ鹿を、写実性を重視して描きます。鹿の表情は厳しく、精神性をも感じさせます。背景には明るい色彩を施し、明快な画面に仕上げています。朦朧体期の初期の課題であった色彩の混濁を解決するために、画面の明瞭化を意識していることが分かります。

菱田春草記念室 常設展示 第39期 西洋美術との出会い-春草と海外遊学-は12月11日まで。ぜひご覧ください。

(菱田春草記念室担当)

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