【春草展示第39期】ミニ解説①春草の海景図

11月12日から、菱田春草記念室 第39期 西洋美術との出会い-春草の海外遊学-を開催しています。展示中の作品から、今回は未完成の作品群をご紹介します。


未完成の海景図
全て飯田市美術博物館蔵

明治37~8年のアメリカ・ヨーロッパ外遊期、春草は海景図を多く試みており、水や波の表現を課題とていたようです。船の上で眺めた海の景色や、西洋美術の海景図に感化されたのでしょう。朦朧体の描法に、西洋美術からの写実・色彩・光の表現などの学びを加えつつ、叙情性豊かな風景画を試みました。残された未完作からは、水の動きや色を描く研究の過程を見ることができます。

菱田春草記念室 常設展示 第39期 西洋美術との出会い-春草と海外遊学-は12月11日まで。ぜひご覧ください。

(菱田春草記念室担当)

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