夏休み企画展「生きものの小べや」コケ編2

夏休み企画展きもののべや」
会期:2015年7月4日(土)~9月27日(日)

小べや1 「コケテッシュなコケのへや」
小べや2 「骨骨(こつこつ)あつめたホネのへや」
小べや3 「かくれる化けるギタイのへや」
小べや4 「イモムシケムシぞわぞわのへや」

 

今回企画展に向けてコケの森にはじめて足を踏み入れてみたのですが、想像していた以上に深く険しい密林で、ディープなディープな世界でした。

一番のハードルは、コケにはパッと見の感覚が通じないことです。
同じ種類であっても、乾燥した時と湿った時、季節、生えている場所などによって、外見的な雰囲気がモノスゴク異なり、図鑑の絵合わせがほとんど通じないのです。

そこで、長野県とか伊那谷とか広い地域を見ることをやめて、美術博物館の敷地のコケだけを見つめてみることにしました。
そうしてあらためて足下を見つめなおしてみると、なんとこれまで全く見えていなかった素敵なコケの世界が美博の庭に現れたのです。

というわけで、
今日は美博のコケスポットをいくつか紹介しましょう!

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最初は、庭の岩石園にある緑色岩です。
一見ただの苔むした石ですが、雨上がりにはハッと息を呑むほど美しくコケが輝いています。
この一部だけで十数種類のコケが生育しています。
種ごとに違う微妙な色合いや葉の開き具合などが絶妙で、いつも見入ってしまいます。

 

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続いて、「菱田春草誕生之地」の碑周辺。
石碑に刻まれた文字は横山大観の筆によります。
それはさておき、この台座のヒジキゴケの見事なこと!
その横に生えているムクゲの幹にもさまざまなコケが生育していますよ。

 

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庭の端には、人工の水路があります。
閉鎖水域ですが、どこからかメダカやフナがやってきて泳いでいます。
この水路周辺の石積みも見どころの一つです。
空中湿度に敏感なコケは、やはり水辺がお気に入りのようです。
ただ、この季節は蚊が多いのが難点。

 

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庭のケヤキの幹は緑色をしています。
以前は「コケが生えてるなぁ…」としか思っていなかったのですが、調べてもらったらオオミゴケ、ヒナノハイゴケ、コダマゴケ、イワイトゴケ、コモチイトゴケ、コゴメゴケ、カラヤスデゴケ、チヂミカヤゴケなんていう種類がみっちり生育しています。
優しく撫でてみるのもよいでしょう。

 

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最後は、日夏耿之介記念館の苔庭。
いつの間にかコケに覆われて、いまでは立派な苔庭になりました。
透明感のある緑色をしたコツボゴケを中心に、コバノチョウチンゴケやタチゴケ類、ネズミノオゴケ、ハイゴケなどが生育しています。
上の写真に写っているコツボゴケの雄花盤(ゆうかばん)は、花のようで美しいです。

 

今回の企画展にお越しいただくと、
そんな美博庭のコケを存分に楽しむためのガイド「びはくコケ手帖」もれなくもらえます!

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ただいま作成中。お楽しみに!!

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