マリンバ演奏家・奥平哲也さんが飯田への想いを綴ってくださいました。

去る6月28日、当館プラネタリウム天歩にて素晴らしい演奏をお届けくださったマリンバ演奏家の奥平哲也さんが、飯田への想いを綴ってくださいましたので、ご紹介します。コンサート当日は、飯田の自然風景や安富桜、星空や朧月、そして春草絵画をドーム一杯に投影し、ドーム映像とマリンバの響きの共演を多くの方々にお楽しみいただきました。(寄せてくださった文章は、9月に神奈川県で行われたコンサートのプログラムに載せられたものです。)

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「人・土地・音楽」

6月の南信州の飯田市にてコンサートをしてきた。飯田は天竜川の長い年月の侵食によってつくられた河岸段丘という地形の中にある街である。100kgのマリンバを乗せた車で、伊那地方の中央道を走り飯田入りしたが、眼下に広がるその雄大な山里の都市景観にたいへん感動した。演奏する会場は、飯田城址にある飯田市美術博物館内のプラネタリウムである。飯田出身で、今年生誕140周年を迎える日本画家・菱田春草の名作「菊慈童」をプラネタリウムに大投影し、その下で私が自作曲の「慈愛」を演奏するという、名画を観ながらマリンバコンサートを楽しむ、美術と音楽のコラボレーション(協働)の演出となった。その他にも飯田の満天の星空や満開の夜桜の映像と共に「星に願いを」「荒城の月」「古謡さくら」といった名曲を演奏した。来場された信州の多くの皆さん、美術博物館の学芸員、職員の皆さんと、一般のコンサートホールでは味わえない、面白く豊かな体験をすることが出来た。その土地ならではの文化の懐の中で、音楽の仕事が出来たことに、大きな喜びと感謝を覚えた南信州での演奏であった。

平成26年(2014) 9月  奥平 哲也

IMG_0141(奥平氏)(修正)

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