【春草展示第40期】ミニ解説①《湖辺飛雁》

2月11日から、菱田春草記念室 第40期 画家たちの研鑽-春草と美術院-を開催しています。展示中の作品をご紹介します。


菱田春草《湖辺飛雁》
飯田市美術博物館蔵

奥行きや空気を描いた朦朧体期の研究の様子を伝えます。近景と遠景を霞によって二分し、それらを雁の列でつないでいます。理知的な春草らしい構成です。この作品は現在は横山大観の作との対幅になっています。


横山大観《海濱の月》
飯田市美術博物館蔵

こちらは大観らしい大胆な構図の作品です。構図は連続しており、対幅の面白味を示した作品です。しかしこの作品は、昭和初期の段階では別の大観の作との双福であった記録が残っています。いつ春草大観の対幅となったのか。研鑽を共にした2人の、同じ志と異なる個性を示した、謎の対幅作品です。

菱田春草記念室 常設展示菱田春草記念室第40期 画家たちの研鑽-春草と美術院-は3月12日まで。ぜひご覧ください。

(菱田春草記念室担当)

ブログ