【春草展示第40期】ミニ解説②《山水》

2月11日から、菱田春草記念室 第40期 画家たちの研鑽-春草と美術院-を開催しています。展示中の作品をご紹介します。


菱田春草《山水》
明治38年頃 
飯田市美術博物館蔵

山は仰角度に、水の流れは俯角にとらえ、霧の空間で二視点の調和を試みています。本作は下村観山の作品との対幅になっています。


下村観山《楼閣》
明治43年 飯田市美術博物館蔵

春草の作品と比べると、より遠近感を意識した空間表現をとっています。2作は同時期の制作ではありませんが、朦朧体の画風を用いて統一感のある対幅に仕上がっています。表現をくらべてみることで、先鋭な春草/手堅い観山と、制作姿勢の違いが分かります。

菱田春草記念室 常設展示菱田春草記念室第40期 画家たちの研鑽-春草と美術院-は3月12日まで。ぜひご覧ください。

(菱田春草記念室担当)

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