【春草展示第35期】ミニ解説①墨の情趣

菱田春草記念室 第35期展示 墨の情趣-春草の水墨表現-の展示がはじまりました!今回の展示は、春草の作品の中から、墨を基調に描いた作品を集めました。筆意を込めた線で描く学生時代~初期、具墨(混色した墨)やぼかしを用いて空間を描く朦朧体期、画面の明瞭化をはかった渡米期、そして装飾性を強めていく晩年期。古典を参照しながら革新を目指す画風の中で、春草はそれぞれに見合った墨の表現を探求しました。「墨に五彩あり」といわれるように、グラデーションがみせる多彩な色感や、濃淡や渇潤が織りなす豊かな表情をご覧ください。

展示室の様子を一部ご紹介します。


春草が使用した墨、菱田家所用の名硯。硯については、装飾のある面を下に置いて、無地の面をすったあとのある、不思議な使い方をしています。

菱田春草記念室 常設展示 第35期 墨の情趣-春草の水墨表現-は7月24日まで。ぜひご覧ください。

(菱田春草記念室担当)

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