【自然】南アルプスの石灰岩壁「白岩」
5月21日に約1ヶ月半ぶりに再開した飯田市美術博物館ですが、また今週から6月5日まで燻蒸作業と展示準備のための臨時休館に突入してしまいました。
燻蒸作業は、作品や資料についた害虫やカビを取り除く重要な作業で、年に一度定期的に行っています。
さて今日紹介するのは、南アルプス北部、伊那市長谷の有名な石灰岩「白岩(しらいわ)」で、戸台川の左岸にそそり立つ岸壁です。
上の写真の中央左下に見える灰色の崖が白岩で、上部を南アルプス林道が横切っています。
背景の雪嶺は、南アルプスの名峰、仙丈ケ岳(3033m)です。
白岩は希少植物の宝庫として古くから有名で、シライワシャジンやシライワコゴメグサなど、白岩の名を冠した植物が自生しています。またカワラウスユキソウも、この地域の石灰岩地に固有です。
伊那谷の生物多様性を支えている最も大きな要因は、2900mの標高差が作り出す環境の違いですが、南アルプスの中腹に分布する石灰岩や蛇紋岩のような特殊な性質を持った露岩地の存在も忘れてはなりません。
自然トピック展示「南アルプス石灰岩地の希少植物」
2020年6月16日(火)~
四方圭一郎(生物担当)
ブログ