開催中の展示と予告のご案内

菱田春草常設展示 第34期
美術学校での学び
―春草の基礎学習―

会期:2022年4月29日(金・祝)〜5月29日(日)

菱田春草は、明治7年(1874)に飯田・仲ノ町に生まれ、新しい日本絵画の創造に生涯を注いだ日本画家です。明治30年代の輪郭線を用いない革新的な画風「朦朧体(もうろうたい)」や、明治40年代の装飾性を重視した画風は、日本画が進むべき道筋を示しました。腎臓を害して眼病に苦しみ満36歳で夭折しましたが、彼の活躍なくしては日本画の近代化はあり得なかったといえるでしょう。明治時代以降の画家で最も多い4点の作品が重要文化財に指定されていることも特筆されます。

本年度の菱田春草記念室では、館蔵作品で春草の画業を時代ごとに紹介し、資料を通してその生涯を追っていきます。
第34期は、絵の得意な少年「三男治(みおじ)」が、画家「春草」として歩み始めるまでの道のりをご覧いただきます。当時の東京美術学校では、日本画の近代化を目指すべく3つの基礎学習を設けました。日本や中国の古画を模写して筆法と画風を学ぶ「臨画(りんが)」、西洋美術の写実法を学ぶ「写生(しゃせい)」、独自に構想した画題を描く「新按(しんあん)」。日本の伝統に西洋の技術を加えて新しい絵画を目指すこの学びは、彼の画業の核となりました。春草の学びの過程と、芸術の始まりをご覧下さい。

【主な出品作品】


菱田春草《牧童》明治26年


菱田春草《鎌倉時代闘牛の図》明治27年
飯田市有形文化財

R04 第34期春草室作品リスト

文化トピック展示
元善光寺のご開帳

会期:2022年3月8日(火)〜5月29日(日)

元善光寺(座光如来寺)は、「善光寺縁起」にその名を残す飯田市座光寺に位置し、前回の御開帳でも30万人を超える参拝者が訪れた当地屈指の名刹として知られています。
元善光寺では、善光寺信仰にゆかりある文物を集めながら、江戸から明治にかけて出開帳をたびたび行い、信濃善光寺の前身であることを標榜してきました。かくして多数の寺宝を有し、強力な発信力によって現在の地位を得ていることは、善光寺信仰の受容と展開を知る上で興味深い事例といえます。
このたびの展覧会では、元善光寺のご開帳に合わせ、中世以来全国に広まった善光寺信仰と、元善光寺のご開帳のようすを紹介します。

付属事業:
①文化講座「女性たちは善光寺をめざす」
令和4年3月13日(日) 講師:青木隆幸(当館専門研究員)
②文化講座「善光寺信仰と元善光寺」
令和4年4月17日(日) 講師:織田顕行(当館学芸員) ※日にちが変更になりました

元善光寺(飯田市座光寺)

自然トピック展示
春を彩るスミレ

会期:2022年2月1日(火)〜5月29日(日)

スミレは、小さく可憐な春の花です。全国に約60種類、長野県では42種類の自生が確認されています。展示では、本州中部のスミレたちを写真や標本で紹介し、したたかに生きる小さな花の魅力にせまります。


▲完成した展示室

<本州中部で撮影したスミレたち>



美術コレクション展示
農の日本画家 仲村進

会期:2022年4月23日(土)〜2022年6月19日(日)

戦後、日展を主な舞台として活躍した日本画家・仲村進(1929〜2003)は、昭和4年(1929)に、下伊那郡松尾村(現・飯田市松尾)に生まれました。農家の三男であったことから、国民学校卒業後に耕地を求めて満蒙開拓青少年義勇軍に志願し、14歳で満州に渡りました。冬は零下数十度という過酷な大地でしたが、牛馬を世話しながら開拓に従事しました。しかし2年目の夏に終戦となり、進駐してきたソビエト軍に牛馬を持ち去られ、多くの仲間が命を失う過酷な引き上げを経験します。

郷里に戻った後、南画家・片桐白登に画を習い、さらに日展作家であった亀割隆の紹介で髙山辰雄の研究会に参加するようになり、日本画家の道を歩み始めます。上京して画に専念することも考えましたが、髙山の「郷里で農業をしながら描き続けなさい」との助言もあって、生涯、飯田を離れることなく、農業に従事しながら作品を描き続けました。戦後大きく変わってしまった農業を愁い、農業を通して現代という時代を見つめました。派手さはなくとも実直で骨太な作風は、山種美術館賞を受賞するなど高い評価を受けました。

この度の展示では、平成16年(2004)にご寄贈いただいた作品を中心に、農業をテーマとした作品をご覧いただきます。

美術コレクション展示
須田剋太と書

会期:2022年6月11日(土)〜8月7日(日)