開催中の展示と予告のご案内

菱田春草常設展示 第29期
春草と京都の日本画家

会期:2021年7月17日(土)〜8月15日(日)

明治7年(1874)に飯田仲ノ町に生まれた菱田春草は、開設間もない東京美術学校(現東京藝術大学)へ進み、新しい日本絵画の創造に生涯を注ぎました。明治30年代には輪郭線を排除する革新的な画風「朦朧体」を試みて画壇に大きな衝撃を与え、明治40年代の装飾性を重視した画風は日本画が進むべき道筋を示しました。腎臓を害して眼病に苦しみ満36歳で夭折するという短い生涯でしたが、彼の活躍なくしては日本画の近代化はあり得なかったといえるでしょう。明治時代以降の画家で最も多い4点の作品が重要文化財に指定されていることも特筆されます。令和3年度の菱田春草記念室常設展示では、春草の芸術を館蔵品によってご覧いただき、また資料を通してその生涯を追っていきます。

特に本年度は、当館のコレクションを通して春草を生んだ飯田の美術をご紹介します。第29期では、菱田春草が活躍した時期の京都の日本画家の作品を取り上げます。小京都と呼ばれた飯田では、京都の風情を愛し、京都画壇の作品を好んで収集しました。伝統的な中に新しい試みを加えて、絵画の近代化を図っていった京都の日本画を菱田春草の作品ともにご覧ください。


菱田春草《水辺初夏》 明治41年


岸竹堂《新柳白鷺》

作品リスト 2021年29期春草室 作品リスト

美術コレクション展示
須田剋太 わたしの造型

会期:2021年7月17日(土)〜9月26日(日)

須田剋太は、明治39年(1906)に埼玉県に生まれました。画家を目指して東京美術学校の受験に4度も失敗しますが、寺内萬治郎の目に留まって光風会に出品し、さらに文展でも二度の特選を受けました。

その後、戦中を奈良で過ごし、戦後、西宮(兵庫県)に移り住んでゲンビ展に参加するなど前衛芸術に身を投じました。関西の前衛芸術をリードした長谷川三郎、吉原治良などと交流し、既成概念から離れた実験的な造形を展開しました。

しかし、吉原が中心となって設立された具体美術協会には参加せず、以降は、自身の芸術観にもとづいて旺盛な作家活動を展開しました。それは、心に留まった造型をエネルギッシュに追い続ける旅路でもありました。縄文時代の文様、飛鳥・白鳳の仏像、殷の青銅器、北魏の書、雪舟、円空仏、写楽、セザンヌ、ピカソ、ポロックなど、ありとあらゆる造型が剋太の創造をかき立てました。

当館では平成2年(1990)に初代館長・井上正との交流により、作者自身から抽象画・書・陶芸など459点の寄贈をいただきました。今回の展示では、抽象画作品を通して、“わたしの造型”をエネルギッシュに追い求めた須田剋太の世界をご紹介します。


須田剋太《二重奏》 昭和39年


須田剋太《無題 作品1960-O2》 昭和35年

作品リスト 2021年コレクション展示 須田剋太 わたしの造型 出品作品リスト

特別陳列「東山道と伊那谷の古代仏教文化」
2021年7月17日(土)~8月29日(日)

 古代の伊那谷は、畿内や東海地方からみれば信濃国の玄関口であり、ひいては東国諸国への入り口でもありました。
交通の要所となった伊那谷には、さまざまな人・モノ・情報がもたらされました。仏教文化もそのひとつです。前方後円墳の全盛期が過ぎ、律令体制が整えられていくなか、古墳に代わる新たな祭祀や供養の場として仏教寺院が台頭します。やがて伝教大師最澄(767-822)が東山道を通って東国へ向かったのち、伊那谷の仏教文化の主流は山岳仏教へと変わりました。

 本展では、奈良~平安時代に創建された当地の寺院を取り上げ、古代の伊那谷における仏教文化の特質とその伝播の過程について考えます。

展覧会名:特別陳列「東山道と伊那谷の古代仏教文化」
会  期:令和3年7月17日(土)~8月29日(日)
会  場:飯田市美術博物館展示室A
観 覧 料:一 般310円(210円)、高校生200円(150円)、小中学生100円(80円)
※括弧内は団体料金
開館時間:午前9時30分~午後5時(入館は午後4時30分まで)
休 館 日:毎週月曜日(8月9日は休館、8月10日は開館)

東山道と伊那谷の仏教文化チラシ

自然・文化トピック展示
三六災害から60年

会期:2021年6月15日(火)〜9月26日(日)

伊那谷を襲った大災害「三六災害」から、今年で60年となります。地球温暖化で気候が変動する中、伊那谷でも再び大災害がおきるかもしれません。今回のトピック展示は自然と文化の両方で災害を取り上げました。
自然展示室では、三六災害の時、伊那谷にどのように雨が降ったかを紹介し、それによって起きた災害とその原因を紹介します。
文化展示室では、三六災害と並ぶ大災害であった江戸時代の未満水について記録から読み解きます。また伊那谷の各地に残る災害伝承について紹介します。

【自然展示室】


【文化展示室】


【危機管理室出張展示】