伊那谷自然史論集 vol.1

規格: A4判 モノクロ

ページ: 42ページ

定価: 割引価格350円 →100円

発行日: 2000年1月31日

発行元: 飯田市美術博物館

伊那谷自然史論集 vol.1 目次

■論文・報告(要旨・本文リンク)

■観察記録ノート(本文リンク)

  • 飯田市風越山ブナ林におけるヒメネズミの記録  本文PDF(96KB)
  • 長野県天龍村で越冬中のウラギンシジミを観察  本文PDF(101KB)
  • 長野県伊那谷におけるタニガワモクメキリガ採集記録  本文PDF(122KB)
  • 飯田市でエドヒガンザクラよりチビクワガタを採集  本文PDF(125KB)
  • 長野県豊丘村の天竜川河川敷でハマスズを採集  本文PDF(53KB)

■論文要旨

■伊那谷のテフラ-露頭記載を中心に- 寺平 宏  本文PDF(1,076KB)
Tephra in the Ina Valley -Some new records of outcrops- Hiroshi TERADAIRA
工事などによって最近出現したテフラおよび、新たに発見されたテフラについて、露頭の記載を中心に報告する。横前では、中位段丘面を覆うテフラのうち10種類が観察され、火山ガラスの屈折率からK-Ah・AT・Aso4・KT-zの4種類が同定された。山郷と新山では、御嶽第1テフラの下に新たなテフラが確認され、山郷のテフラは0.21±0.06Maの年代値が得られた。
 
キーワード:伊那谷、テフラ、露頭記録、FT年代
 
 
■伊那谷の土石流災害『満水』の歴史から-地震の活動期との関連性にふれて- 松島信幸   本文PDF(351KB)
History of debris flow disasters (called “Mansui”) in the Ina Valley-in relation to periods of seismic activity- Nobuyuki MATSUSHIMA
伊那谷は歴史時代から現代まで大規模土砂災害が発生する。これを『満水』と呼び、恐れられている。災害史を整理すると満水は多発期があり、百年余のくり返しが指摘できる。これは地震の活動期に連動するのではないかと予測し、両者の年表を作成した。結果は両者の活動期と静穏期のパターンがほぼ一致する。
 
キーワード:土石流災害、土砂災害、満水、地震活動期、地震静穏期
 
 
■南アルプス仙丈ヶ岳平右衛門谷流域の亜高山植生 大澤太郎  本文PDF(623KB)
Vegitation of the sub-alpine region in the Heiemon-tani basin. Mt.Senjo. Southern Japanese Alps Taro OSAWA
亜高山帯針葉樹林を中心とする亜高山植生が流域単位で残されている、南アルプス仙丈ヶ岳の平右衛門谷流域を対象に、植生図の作成、各植物群落の組成と構造について調査を行い、さらに各群落の分布の特徴について考察を行った。平右衛門谷流域において、7つの植物群落を区分することができ、それぞれの群落は標高や地形などの立地条件によって分布が規定され、隣接する群落は環境傾度に沿って徐々に移り変わっていることが示唆された。尾根から谷筋まで変化に富んだ地形を包含する「流域」を単位として植生の分布、維持機構を明らかにすることは天然林の保全を考える上でも重要であり、平右衛門谷流域を対象に今後も調査を継続していきたいと考えている。
 
キーワード:仙丈ヶ岳、流域、亜高山帯、植物群落、環境傾度
 
 
■下伊那郡上村および伊那市西箕輪でヤマネを目撃 澤畠拓夫  本文PDF(886KB)
A Yamane. Glirulus japonicus (Schinz) was found at Nishiminowa in Ina city and at Gyoja in Kami village Takuo SAWAHATA
長野県下伊那郡上村行者、伊那市西箕輪羽広仲仙寺でヤマネを目撃した。これらは地上で目撃され、上村の個体は路上で車でひかれていた。ヤマネの目撃地点の周囲はスギやヒノキの人工林であった。
 
キーワード:ヤマネ、哺乳類、天然記念物、伊那市、上村
 
 
■長野県伊那谷におけるラミーカミキリの分布状況 四方圭一郎・井原道夫  本文PDF(195KB)
Records of Paraglenea fortunei (Saunders) from the southern part of Nagano prefecture Keiichiro SHIKATA and Michio IHARA
長野県伊那谷におけるラミーカミキリの分布について調査した。その結果、下伊那郡の9市町村31地点で成虫確認もしくは標本の確認ができた。現在のところ上村および飯田市付近が、本種の分布の北限ラインだと考えられた。
 
キーワード:ラミーカミキリ、分布、長野県、伊那谷