上久堅の民俗

規格: A4判 モノクロ

ページ: 268ページ

定価: 1500円→1200円

発行日: 2006年3月31日

発行元: 飯田市美術博物館、柳田國男記念伊那民俗学研究所

上久堅の民俗
飯田市地域史研究事業民俗調査報告書1

野本寛一氏(柳田國男記念伊那民俗学研究所所長、飯田市美術博物館顧問)の指導のもと同研究所所員らによって行われた調査をもとに、飯田市上久堅地区に伝わる民俗文化の伝承やそこに住む人びとの生活の歩みを記録。

<目  次>
上久堅の概要 -寺田一雄-

第一章 環境と民俗 -野本寛一-
1. 気象環境伝承
2. 地象環境伝承
3. 生活・生業と山
4. 農耕と環境
5. 害獣と小動物
6. 自然暦と予兆口誦

第二章 社会組織
Ⅰ. 村落組織 -松上清志-

Ⅱ. 社会組織 -今井啓-
1. 年齢集団
2. 地域づくり組織
3. 屋号
4. ひさかたの火まつり

第三章 生業
Ⅰ. 生業 -寺田一雄-
1. 養蚕
2. 稲作
3. 肉牛
4. 果樹
5. 馬追い

Ⅱ. 昭和三十年の福島一成さん農業日記 -高橋寛治-
1. 農業生産と基幹作目
2. 家族構成と役割
3. 「結い」と作業の共同化
4. 年中行事と家の祭り
5. 営農と農業協同組合・天龍社

第四章 物流と街道
Ⅰ. 街道と物流 -西澤洌-
1. 物々交換の経済
2. 飯田から越久保への道
3. 越久保の家並みと屋号・遠山商いとの関わり
4. あきは街道の物流の変遷
5. 物流に携わった人に聞く
6. 小川路峠を越える道と行程
7. 現代の物流の変動

Ⅱ. 小川路峠粗誌 -野本寛一-
1. 小川路峠へ
2. 峠への関心
3. 小川路峠と馬追い
4. 馬宿の実際
5. オケガワの象徴性
6. 最後の遠山歩き
7. 小川路峠を越えた人びと
8. 峠を基点として
9. 小川路峠の終焉と再生

第五章 衣生活 -片桐みどり-
1. 普段着
2. 晴れ着
3. 葬式の服装
4. 子供の着物
5. 学童の服装
6. 祝い物としての衣服
7. 繊維
8. 染め
9. 機織
10. 裁縫・洋裁
11. 洗濯
12. 再生・再利用
13. いいつたえ・俗信

第六章 食の民俗 
-野本寛一-
1. 動物性蛋白質とカルシュウムの確保
2. 水車から見えるもの
3. 採集食物
4. 味噌と醤油
5. 凍食の習慣
6. 「十時」と「三時」
7. 儀礼食の中から

【コラム】 忘れられない味「醤油の実」 -片桐喜代子-

第七章 住生活 -桜井弘人-
1. 住居と暮らし
2. 住居にみられるさまざまな機能

第八章 人生儀礼
Ⅰ. 誕生から成人まで -前澤奈緒子-
1. 産育
2. 結婚
3. 厄落し 年祝い

Ⅱ. 葬儀・墓制 -山田慎也-

第九章 年中行事
Ⅰ. 年中行事 -北原いずみ-
1. 歳末から正月へ
2. 春から夏へ
3. 七夕と盆
4. 秋から冬へ

Ⅱ. コトの行事 -桜井弘人-
1. コト八日行事の分布と特色
2. 各集落のコト念仏
3. 各集落のコトの神送り
4. 上久堅のコト八日行事の特徴

第十章 信仰
Ⅰ. 神社信仰 -宮坂昌利-
1. 久堅神社
2. 八幡社(平栗)
3. 四柱神社

【コラム】 小野子諏訪社の御柱祭 -橋都正-

Ⅱ. 民間信仰 -折山邦彦-
1. 家に祀る神
2. 氏神信仰
3. 山の神信仰
4. 講
5. 雨乞い信仰

【コラム】 原平区内の産土様・ご利益のある神様 -長谷部三弘-

Ⅲ. 山岳信仰 -原董-
1. 地勢と歴史の概要
2. 山岳信仰を伝える山
3. 修験道の遺構
4. 権現信仰の地名と寺社伝承

第十一章 子どもの遊び -宮下英美-
1. 屋外で遊ぶ
2. 屋内で遊ぶ
3. 植物で遊ぶ
4. 学校で遊ぶ
5. 野山で食して遊ぶ

第十二章 写真と絵でみる民俗 -橋都正-
1. 小野子諏訪社の御柱と活動写真(昭和七年)
2. オンタケ山赤ナギ砂防工事の現場(昭和二十六年頃)
3. 柏原青年団の若者たち(昭和二十七年頃)
4. 農村演劇に新劇を上演(昭和二十七年)
5. 会費制結婚式(昭和三十一年頃)
6. 嫁さまを見送る(昭和三十年)
7. 上久堅青年団「伊那のうたごえ」に出演(昭和三十二年)
8. 明治生まれの女性たち(昭和三十五年頃)
9. ツグミの霞網猟(昭和三十一年頃)
10. コトの神送り(昭和四十八年二月八日)
11. 上久堅学童疎開

【コラム】 ライフヒストリー 森本八百重さん -片桐みどり-