大河原 松下家文書(故古島敏雄氏旧蔵分) 94点

松下家は、大河原村上青木引ノ田(現大鹿村)の代々名主格の家柄であった。江戸時代初期より安右衛門-久蔵-八郎治と世襲し、定名主前島氏を補佐した。幕末慶応年間に起こった大河原村の111人事件でも定名主前島善五郎が江戸へ出府の折には善五郎の代行として村政を司った。江戸の善五郎から松下八郎治にあてた連絡の書簡が多数残っている。明治時代になると、八郎治は飯田生糸会社の設立に伴い、その惣代世話人として活躍した。

現在、引ノ田に残る住宅は、切妻造の江戸時代の豪農の屋敷として国の重要文化財に指定されている。

本文書は、松下家旧蔵の文書で、故古島敏雄氏が所蔵した「前島家文書」中に一括されていたものである。「前島家文書」(『文書目録Ⅴ』に掲載。総数6293点)とともに、古島氏のご子息古島史雄氏から平成7年飯田市に寄贈をいただいた。