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■アルプスを上から見る■


■黄金色のアルプス山塊

■空からの地形を楽しむ

■雲海に浮かぶアルプス

■黄金色のアルプス山塊

 日程の半分が過ぎ、後はドイツを残すのみとなった。ジュネーブのホテルを早朝に発ち、飛行機でミュンヘンへ向かう。しばらく晴天が続いたので、そろそろ崩れてくるはずだ。それでももしかしたら雲の上に出て、アルプスが見えるかも知れない。再び窓際をリクエストする。
 案の定、飛行機は雲の上に出た。雲海にそびえるアルプスが、逆光ぎみの朝日を受けて影絵のように見える。モンブランやグランド・ジョラスの山々がはっきりと分かる。さらに高度が上がると、アルプスの山々が俯瞰できるようになった。地形の特徴が鮮やかに映し出される。

▲朝日の中のアルプス
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■空からの地形を楽しむ

 アルプスはオーストリアから西方へとしだいに高度を上げ、スイス・フランス・イタリア国境の辺りから南方へと向きをかえて地中海へ没する。アルプス一のモンブランはこの方向転換点に位置している。アルプスの前縁(北西)にはジュラ山脈がアルプスを取り囲むように配置している。アルプスとジュラとの間にヨーロッパ最大の湖、レマン湖やヌシャテル湖がある。レマン湖の水はすぐジュラの山を横切ってローヌ川となり、地中海にそそぐ。ヌシャテル湖の水はジュラ山脈の内側に沿って北東へ流れ、山脈の東端でチューリッヒやボーデン湖から流れくる川と合流してライン川となり、北海にそそぐ。ちょうどレマン湖の北側が分水嶺となっている。飛行機はこの分水嶺の上空を飛んでいるわけだ。東西に伸びる山と谷の配列がよく分かる。中でもモンブラン山塊の手前の広い直線的な構造谷がすばらしい。これは昨日訪れたシャモニーの谷だ。ここには花崗岩と堆積岩を分ける構造線が走っている。

▲モンブラン山塊
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■雲海に浮かぶアルプス

 窓からの景色がどんどん変わっていく。しだいに雲が切れ、湖が見えるようになった。後で調べるとトゥーン湖らしい。この湖はユングフラウからの土砂の堆積によって分割された湖の片割れだ。土砂の堆積したところがインターラーケンであり、有名なグリンデルワルド、ユングフラウ・ヨッホ観光の前線基地だ。ちょうど今ベルン上空を飛んでいることになる。ここからは、バリスアルプスの最高峰モンテローザやマッターホルンがよく見える。手前の山塊はベルナーアルプスでユングフラウやアイガーがあるはずだ。いくつかピラミダルな山があったが、はっきりとアイガーを確認することはできなかった。
  再び、下界が雲で見えなくなった。雲海に浮かぶアルプスの山々はしだいに遠ざかり、ミュンヘンへ到着した。

▲雲海に浮かぶアルプス
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