恒川官衙遺跡は、飯田市座光寺に所在する7世紀後半から10世紀前半にかけて営まれた伊那郡の役所(伊那郡衙)と考えられる遺跡である。これまでに、税として集めた稲などを保管した正倉の建物やそれらを区画した溝、役所の給食施設である厨家、郡衙を区画する溝などが確認されている。
遺跡の中央には「恒川清水」と呼ばれる清水があり、その近くからは多数の木製品が出土しており、祭祀を行った場所と考えられている。
遺跡からは、和同開珎銀銭、「厨」・「官」と書かれた墨書土器、のほかに、昔の役人たちが使っていた多数の硯が出土している。
なお、飯田市で国指定史跡となるのは「恒川官衙遺跡」が初めてである。
恒川遺跡群出土品 計110点
「官」4点・「官」カ1点・「厨」1点・「信」1点 計 7点
圏足円面硯79点・円面硯2点・蹄脚円面硯1点・獣脚円面硯2点・転用硯4点 計88点
軒丸瓦3点・丸瓦3点・軒平瓦6 点・平瓦3点 計15点