▲目次へもどる | |||||
■ラ・ビレット−科学する心を育てる−■ | |||||
|
|||||
ラ・ビレット(科学産業都市)は、先端分野を対象としているだけでなく、参加体験型の試みがなされている点で、新しい科学館といえる。日本からも科学技術館の学芸員が派遣されて日仏共同の試みがなされている。特に情報処理と数学の分野での共同研究・展示開発が活発で、子どもの学習コーナーの共同研究も始まった。
|
| ||||
▲戻る ▼次へ |
|||||
科学産業都市は科学技術との出会いをテーマにした国立の科学館で、1986年にオープンした。ヨーロッパでは一番新しく、規模が一番大きいという。年間の予算規模が7億2千フラン(145億円)で、内訳は国からの収入が6億フラン、チケットと事業収入が1億2千フランである。入館者数は年間570万人、職員は1500人ほどで、他に清掃や管理などの委託?で2000人が働いているという。これらは科学産業都市のみの数字であり、ちょっと想像がつかない。日本との共同研究の他に各国との共同研究が盛んで、概要を紹介してくれた方はなんと国際部の部長とのこと。フランス国内のみならず、世界を対象にしているところがすごい。実際に入館者の30%近くが外国人だという。 |
| ||||
▲戻る ▼次へ |
|||||
科学産業都市の展示ホールは2つに分けられる。一つは一般向けの展示場で、30000uの広さを持つ。もう一つは1992年にオープンした子ども用の展示場で3800uの広さである。今回時間の関係で、子ども用の展示「子どもの国」を見学した。
|
| ||||
▲戻る ▼次へ |
|||||
監視の人もいるようだが、子どもたちがかなり荒っぽく扱っていても注意していないようだ。安全性と耐久性に自信があるのだろう。解説者によれば、常時100人の技術者がいて、もし故障すればすぐさまユニットごとそっくり作業場の方へ移動して直してしまういう。実際壊れている展示品は見ることができなかった。作業場をぜひ見たいと思ったが、中二階の広いスペースを指摘してもらったのみで、中を見ることができなかった。 |
| ||||
▲戻る ▼次へ |
|||||
もう一つ興味をもったことがある。この子どもの国が教育学の研究のフィールドにもなっているということだ。大学の研究者による研究もなされるらしいが、科学産業都市内の青少年科学部120人の職員の内、博士号をもつ人が10人もいて、常時フィールドリサーチをしている。この研究が再び新しい展示にむすびついていくのだろう。
|
| ||||
▲戻る ▼次へ |
|||||
学校との連携は「子どもの国」での学習があるが、これのみではない。ラ・ビレット教室という本格的な学習プログラムがある。これは展示を利用しながら科学技術を学習するという1週間の教室である。午前中は普通の授業をラ・ビレットで行い、午後に展示を見学するというものだ。これがなんと年間220クラスもあるという。その他にも教師の研修会やシンポジウムが盛んに行われている。このような企画を実施するために、科学産業都市には学校教師が40人もいるという。
|
|