この民家は、上町正八幡宮の宮本禰宜を代々司ってきたことから、「ねぎや」という屋号で呼ばれていました。
禰宜といえば、霜月りやそれ以外の伝統芸能・年中行事や、住民の生活を支える神事等の重要な役割を持った職務です。
そのような経過のある民家を、資料館として活用するため村で建物を購入し、改修を加え展示しています。建物は、その造りから江戸時代後期のものと推測されます。梁や壁や柱はそのままに、建具等も使えるものは修復して利用し、1階には土間・囲炉裏・座敷・馬屋等、2階には養蚕等の展示室を当時の姿を再現すべく復元しました。
また、古文書も現存しており、禰宜の家としての霜月祭り・正八幡宮の関係、木地師との繋がりのみられるもの、吉田神道の免許に関するもの等が、多数残されています。
中でも霜月祭りの神名帳は、上村で現存するものの中で最も古く、延宝4年(1676)のものです。
古き良き時代の山村の民家をそのまま復元し、古文書などの貴重な資料、生活の中で人の知恵によって生み出された民具や農具を展示保存しており、懐かしさと安らぎを与える空間としてご利用を頂く施設です。
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