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松下家住宅
マツシタケジュウタク
指定区分
重要文化財(1973・6 指定)
員数
二棟
制作年代
文政3年(1820)
所在地
下伊那郡大鹿村大河原1665
所有者
松下こと
赤石山脈の西側、小渋川の谷沿いに点在する集落の中にあり、急傾斜面の多いなかで比較的ゆるやかな場所を選んで建てられている。松下家は御館といわれた大地主層の一軒であった。
松下家の主屋の建築年代は、カミザシキの書院障子の框(かまち)に「文政三辰年三月拵」の墨書があり、文政3年(1820)もしくはそれより少し前に建設されたと考えられる。
主屋は、間口八間半、奥行七間半の規模で、正面ほか三方に下屋が付く。屋根は現在鉄板葺であるが、当初は石置板葺であった。
間取りは、細長い土間の片側に、部屋を前後三列に配置し、土間の下手に馬屋等が並ぶ。建築年代が19世紀に入っているので、主屋の中央にあった大きな居間が分割され、上手のオエイは床の間を付けた部屋となり、背後のダイドコロが拡大され数室に仕切られるなど、間取りが複雑になっている。
構造で特筆されるのは、土間の左側にある馬屋とそれに続く小部屋が構造的に主屋と別に造られていることで、両者の境には柱が二列に立てられている。このように主屋・馬屋を別構造とする形式は、下伊那地方や木曽地方に分布している。
なお、主屋北側にある土蔵は明和9年(1772)の建設である。
データ番号【ア−12】 索引【ア】
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参考文献/『伊那谷の文化財 - 飯田下伊那の特質を探る -』飯田市美術博物館発行
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