藤本四八写真文化賞は、平成9年に飯田市出身の写真家藤本四八を記念して創設されました。2年に一度の表彰を行っており、この度、第7回展の受賞作品が決まりました。
第7回展の審査は、さる2月22日に田沼武能(写真家)、福島義雄(写真編集者)、内山節(哲学者)、水谷章人(写真家)、伊澤宏爾(飯田市教育長)、滝沢具幸(当館館長)の6名の審査員により行われました。応募作品数は、公募の部(一般)が44点、公募の部(小・中・高校生)が8点でした。
近年に出版された優れた写真集の業績に対して、審査員の推薦により受賞が決定する写真文化賞推薦の部には、
井上 博道
さんが選ばれました。井上さんは、禅僧を父に、寺で生まれ育ち、京都の龍谷大学で学んだ後入社した産経新聞社で、その後文化部長であった司馬遼太郎氏の影響を受けました。新聞社を辞し独立してからは日本の文化、生活を基調とした日本人の心の表現に力を注ぎ、種田山頭火、万葉風景の作品として発表。また、日本文化を代表する仏像、神社仏閣建築など、日本の美を作者の眼で表現した作品群は高い評価を受けています。平成20年、平城遷都1300年を記念して上野の森美術館において開催された「井上博道の眼」展覧会では、「美の脇役」「隠れた仏たち」「東大寺」「万葉集」「山頭火」など、井上博道の全仕事とも言うべき作品群が展示されました。それは、遷都1300年記念にふさわしい大展覧会で、その後、大阪の近鉄デパートにおいても開催されています。数多くの出版物、展覧会による日本文化の普及に対する功績により、藤本四八写真文化賞を贈るにふさわしい人物であることから、本年度第7回藤本四八写真文化賞に決定しました。
公募の部(一般)の写真賞には、埼玉県在住の
岡田 勤 さんの「Nature-mind−命の瞬き−」が選ばれました。
地球環境に対する関心が高まっている中で、昆虫に焦点をあて、生と死の問題を鮮やかに表現した20点からなる組写真作品です。1枚1枚の表現がすばらしく、環境と命の今日的課題をよく表現しているとして高く評価されました。
市民奨励賞には、喬木村在住の 筒井 政美
さんの「いやんばいで」が選ばれました。
こちらも20点からなる組写真作品で、「いやんばいで」は地元のあいさつ言葉。日常生活の状況が1枚1枚によく表現されており、動物・植物の情景も程よく組み込まれた、雰囲気の豊な作品となっています。
公募の部(小学生)では、座光寺小学校5年生の
斉藤 天 くんの「大火から生き残った歴史」と松尾小学校6年生の
三浦 幸輝 くんの「おんべ」、鼎小学校3年生の 高根
太朗
くんの「燃えろよおんべ」、座光寺小学校5年生の
大内 健瑠
くんの「ぼくたち、カメラマン」が選ばれました。
公募の部(中学生)では、該当無し、公募の部(高校生)では、阿南高校1年生の
熊谷 翔太
さんの「棄てられているものたち」が選ばれました。
受賞者の方々、おめでとうございました。
受賞作品作品展は、東京展を5月20日〜5月26日の会期で東京都中央区銀座の「キヤノンギャラリー銀座」で、飯田展を5月29日〜6月13日の会期で「飯田市美術博物館」でおこないます(小学生・高校生の作品は飯田展のみの展示)。ぜひ会場に足をお運びいただき受賞作品をご鑑賞ください。
推薦の部
「藤本四八写真文化賞」
井上
いのうえ
博道
はくどう
氏(奈良市)
公募の部
「藤本四八写真賞」
岡田
おかだ
勤
つとむ
氏(埼玉県) 「Nature-mind−命の瞬き−」(組写真20点)
「藤本四八市民奨励賞」
筒井
つつい
政美
まさみ
氏(喬木村) 「いやんばいで」(組写真20点)
「藤本四八小・中・高校生奨励賞」
小学生の部
斉藤
さいとう
天
たかし
くん(座光寺小学校5年生) (1点)
三浦
みうら
幸輝
こうき
くん(松尾小学校6年生) (1点)
大火から生き残った歴史 |
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おんべ |
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高根
たかね
太朗
たろう
くん(鼎小学校3年生) (1点)
大内
おおうち
健瑠
たける
くん(座光寺小学校5年生) (1点)
燃えろよおんべ |
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ぼくたち、カメラマン |
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中学生の部 該当無し
高校生の部
熊谷
くまがい
翔太
しょうた
さん(阿南高校1年生) (1点)
棄てられているものたち |
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◆受賞作品展覧会
(1)東京会場
期 日 5月20日(木)〜5月26日(水)
場 所 東京銀座キヤノンギャラリー銀座 東京都中央区銀座3-9-7 03-3542-1860
展示作品 推薦の部・公募の部〈一般〉による三賞の作品
(2)飯田会場
期 日 5月29日(土)〜6月13日(日)
場 所 飯田市美術博物館
展示作品 推薦の部・公募の部〈一般・小学生・高校生〉の作品
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