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菱田春草 「
花あやめ
」 明治38年(1905)
絹本著色
106.5× 39.7
p
没骨を中心とした筆法で、みずみずしいあやめの姿を描く。賦彩は淡くて繊細なものとされ、殊に花弁は薄さや柔らかさといった質感が巧みに表現されている。また消え入りそうなほどに薄く描かれた葉や茎は、薄く施された背景の色彩と調和して、湿潤な気配も感じられるようである。
グラデーションを用いた草木図は、中国の院体画などに見られる技法であるが、春草も恐らくは院体画の画風を意識して本図の制作に臨んだのであろう。
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