鈴木芙蓉 「山水図屏風」  寛政2年(1790)頃 絹本淡彩 各隻157.0×354.0p 屏風六曲一双
  寛政2年(1790)に、鈴木芙蓉は数点の屏風作品を集中的に遺している。これらのうち山水を描くものもいくつか存在し、本作品はこれに近い作風を示している。恐らくほぼ等しい時期に描かれたものと考えられる。江戸南画に分類される芙蓉の作風であるが、本作品をみれば、むしろ雪舟をはじめとする室町水墨画に接近した要素をみることができる。芙蓉は、晩年に至るにしたがって雪舟へ傾倒していくが、比較的初期にあたる本作品にもその影響が見られることは、芙蓉の画作を知る上でも重要といえる。