「北宗諸家山水画帖(景象逼真帖)」  明治28年(1895)〜明治36年(1903)頃 絹本著色他 各20.9×15.2p 26面
 円山四条派系を中心とした京都画壇の諸作家に、東京系の数作家が加えられた画帖。すべてが山水画で構成され、冒頭から末尾にかけて、春夏秋冬の順で季節が移行する。我が国古来よりの伝統に則したオーソドックスな構成であるが、個人コレクションでこれだけの体裁が整ったものは珍しい。題箋の「景象逼真」とは景色の描写が真に迫るとの意味を為し、円山四条派が最も重要視した写実・写生の姿勢を表している。
鈴木松年「春溪読書」
今尾景年「深山秋景」