「各宗諸子人物画冊」  明治35年頃(1902)〜大正11年頃(1922)頃 絹本著色他 各29.9×22.1p 20面
 明治・大正期の日本画家による人物画の画冊。明治35年から大正11年に描かれた作品で、岩崎新太郎コレクション中では、最も新しい傾向を示すものといえる。また他の画帖・画冊に比べて東京画壇系の作家が多くを占める点も特徴的といえる。収集者の岩崎新太郎は、日本美術院を中心とする急進派の画風には批判的な目を持っていたものの、明治期東京画壇のめざましい展開には決して無関心ではなかった。そのことは、本画冊中の前田青邨・伊東深水の作品が20代の早期作品であり、いち早く新世代の作家にも興味を投げかけていることにも看取できる。
上村松園「童子」
梶田半古「弁財天」