開催中の展示と予告のご案内

特別陳列 太田用成生誕180年記念
「七科約説」を生んだ飯田の医学・本草学」

会期:2024年8月24日(土)〜9月23日(月・休)

飯田出身の太田用成(1844-1912)は、明治前半に、虎岩武(現飯田市伊豆木出身)、柴田邵平と共に西洋医学書を翻訳し、『七科約説』を出版した医者です。時代が江戸から明治へ変わり、医療も漢方医学から西洋医学へ移り変わるなかで、『七科約説』は医者を目指す数多くの人に読まれたと言われています。

太田用成生誕180年の節目に開催される今回の展覧会を通して、医学や本草学の観点から太田用成や田中芳男を育んだ飯田の歴史を探ります。

チラシPDF⇒R6特陳チラシ

菱田春草常設展示 第49期
《鎌倉時代闘牛の図》
―古典へのまなざし―

会期:2024年8月24日(土)〜9月23日(月・休)

今回の展示では春草の学生時代に焦点をあてます。春草は明治23年からの5年間、東京美術学校に学びました。ここで校長・岡倉天心から、日本の古典様式を重視しつつ、西洋の写実法を加えるよう指導を受けました。そして春草は狩野派や大和絵などを学習し、制作に活かしていきます。本展では《鎌倉時代闘牛の図》など、春草の古典学習の成果をご覧いただきます。

 


菱田春草 《鎌倉時代闘牛の図》 明治27年(1894) 本館蔵


菱田春草 《五味子に小禽》 明治24年(1891)頃 本館蔵


下村観山 《稚児文殊》 明治28年(1895) 本館蔵

美術コレクション展示
仲村進 屏風を描く

会期:2024年7月20日(土)〜9月23日(月・休)

戦後の日本画の主要な公募展では額装が主流となり、軸装や屏風装の作品はほとんど見られなくなります。昭和・平成時代に活躍した飯田出身の日本画家・仲村進(1929〜2004)も日展などに出品を続けますが、多くは額装作品でした。しかしいくつかの個展では屏風作品を手掛けています。横長の構図をとる屏風は、里山や大地をあらわすのに適していたのでしょう。ときには金屏風も用いて画面を効果的に彩りました。今回の展示では、仲村の描いた屏風作品をご覧いただきます。

 

 
仲村進《春山暮霞》

 
仲村進《望郷の地》

自然トピック展示
そして化石は『標本』になる
―近藤恭一がみつけた富草の海―

会期:2024年8月27日(火)〜2025年2月2日(日)

2023年に下伊那教育会から寄贈された「近藤恭一コレクション」には、阿南町富草で採集されたサメの歯や貝類などたくさんの海の生き物が含まれています。
今回はその一部を紹介するとともに、地質資料の概要・標本化の過程、コレクションの存在意義や標本を保存し未来へ受け継ぐ意味について紹介します。

<展示室の様子>

文化トピック展示
菱田春草生誕150年「菱田家の人びと」

会期:2024年9月3日(火)〜2024年12月8日(日)

日本画家菱田春草の生誕150年に際し、春草が生まれ育った菱田家を紹介します。
菱田春草は、士族屋敷が並ぶ仲ノ町(飯田市仲ノ町)に、菱田家の三男として生まれました。父の鉛治は最後の飯田藩士として、廃城令に伴う飯田城明け渡しの役を負いました。春草の兄弟のなかでは、次兄の為吉は数学者、弟で四男の忠蔵は航空学の研究者として活躍しました。
本展では、春草生誕150周年の特別展開催に合わせ、春草を生んだ飯田藩士菱田家と春草の兄弟について焦点を当てます。