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■柳田國男館の建物――「喜談書屋(きたんしょおく)」 国際連盟派遣から帰った昭和2年(1927)、イギリスの社会人類学者フレーザーの書斎にならって、「完全なる文庫」をめざして新築したものです。柳田はここに来客を迎えて嬉々として談じようとする気持ちを、地名(東京府北多摩郡砧村字喜多見)にかけて、「喜談書屋」と名づけました。中心をなす大書斎(図書室)には、壁面に書棚を設け、南隅近くに仕事机を据えました。中央の四本柱の内には民俗学徒ら来客を迎え、木曜会や民俗学研究所などを開いたことから、「民俗学の土俵」とよばれました。この建物は、まさに日本民俗学発酵の「母屋」だったのです。 |
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