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大島城跡


1.所在地 下伊那郡松川町元大島
2.城館の概要

松川町史跡(1972年指定)。台城あるいは大蛇ヶ城とも呼ばれ、平安時代末期に船山城主片切為行の子宗綱が築城したと伝えられる。主郭・二の郭・三の郭や井戸などがある。1571(元亀2)年武田氏が大島以南の21郷に徴用をかけ大修築を行った。その結果、馬出しや三日月堀など武田流築城法が随所に見られる。1582(天正10)年織田氏の侵攻により戦わずして自落した。

3.調査
  • 年次    1977(昭和52)・1990(平成2)年
  • 調査主体  松川町教育委員会
  • 調査原因  公衆トイレ建設(主郭、1990年)、矢場建設(三の郭、1977年)
4.調査の概要

主郭では虎口の木戸跡・建物礎石や雨落溝などが確認され、小皿・小瓶や擂鉢といった陶器類、かわらけ、木戸肘金具・銭貨などが出土した。また南側の伝米蔵跡からは炭化米が多量に出土した。木戸肘金具や炭化米は1582年の落城時のもので、他の遺物の多くが16世紀代のものである。
三の郭では四耳壷が出土した。
この他、駐車場部分から双雀鏡が出土したという。

5.遺物の保管 松川町教育委員会(一部松川町資料館に展示)
6.文献

市村咸人 1925 「大島城址」 『史蹟名勝天然紀念物調査報告』第3輯
松下 拡 1991 「松川町史跡 大島城跡」 『伊那』1991-11
松川町教育委員会  『大島城跡』 リーフレット
(右側の写真提供:松川町教育委員会)


遠望
遠望
主郭の建物と雨落溝跡
主郭の建物と雨落溝跡
三日月堀
三日月堀

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