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尾の島館跡


1.所在地 飯田市南信濃尾野島
2.城館の概要

別称一本松の城、あるいは明神先の城で、城主は遠山氏である。『尾の島八幡神社縁起』に「遠山弥助尾の島に住す」とあり、市村咸人氏の『遠山氏史蹟』以降に「館」の名称が定着したと考えられるが、構造からみて城と呼ぶのが適当であろう。主郭・二の郭・三の郭からなる。築城時期は不明である。主郭・三の郭は工事により残存していない。

3.調査

【学術調査】
・年次     1969年
・調査主体   桜井伴氏
【緊急調査】
・年次     1985年
・調査主体   南信濃村教育委員会(1985年)
・調査原因   グラウンド建設

4.調査の概要

1985年の調査では、主郭と三の郭の間の堀切、主郭の北縁部〜東縁部の石積が把握され、天目茶碗・平碗・皿・擂鉢・甕・銭貨・刀装具(はばき)などが出土した。遺物の主体は15世紀末から16世紀にかけてのもので、17世紀代には堀は埋まっていたと考えられる。

5.遺物の保管 飯田市教育委員会(遠山郷土館で展示)
6.文献

南信濃村教育委員会 1986 『尾の島館遺跡発掘調査報告書一条痕文系土器・中世城館跡』
南信濃村教育委員会 1986 『尾の島館遺跡 関連調査報告・考察編』 


主郭から三郭を望む
主郭から三郭を望む
三郭から主郭を望む
三郭から主郭を望む
石積遺構
石積遺構

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