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大草城跡


1.所在地 上伊那郡中川村大草
2.城館の概要

大河原(大鹿)に本拠を置く香坂氏の支城で、築城時期は不明であるが、少なくとも南北朝時代から戦国時代まで存続している。後醍醐天皇の皇子宗良親王ゆかりの城で、香坂高宗は1343(興国4)年から1374(文中3)年の30余年、親王に忠誠を尽くし、各地を転戦した。

3.調査
  • 年次     1985(昭和60)年
  • 調査主体   中川村教育委員会
  • 調査原因   公園建設
4.調査の概要

二の郭(北ノ郭)及び中ノ堀・内堀が調査された。二の郭は9棟の掘立柱建物と竪穴・土坑・石囲いの炉址、それに鍛冶遺構が検出された。鍛冶遺構では、鉄鏃はじめ武具などの破片、ロクロ・鋳型や坩堝、鉄滓などが出土していることから、武器製造に関わる施設があり、鋳物師たちが生活していたと考えられている。他に、中国青磁・天目茶碗・仏花瓶・擂鉢・内耳鍋・銭貨などの遺物があり、14世紀〜18世紀に位置づく。

5.遺物の保管 中川村教育委員会(一部中川村歴史民俗資料館に展示)
6.文献

中川村歴史民俗資料館 1985 『大草城展』
中川村教育委員会 1990 『大草城跡』
(右側の写真提供:中川村教育委員会)


遠望(中央家屋の上)
遠望(中央家屋の上)
遠望(南西側より)
遠望(南西側より)

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