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八幡神社
ハチマンジンジャ
指定区分 重要文化財(1930・5 指定)
員数二棟 制作年代 永正3年(1506)
所在地下伊那郡阿南町富草古城 所有者八幡神社
 八幡神社は通称古城八幡とよばれる。応永年間に下条頼氏が居城を構えた小峰に建つ。
 覆屋の中に二棟の社殿が並んでおり、向かって右が八幡神社本殿、左が摂社諏訪神社本殿である。いずれも一間社流造、こけら葺の社殿である。建築年代に関する史料として「下条記」には下条氏が京都の工匠吉村惣右衛門を招いて造立させたものと記されており、また、本殿内の神像に永正3年(1506)の銘があるので、このときの建築とされる。
 また覆屋に関して、享保13年(1728)の修復記録があるから、これ以前から覆屋があったことがわかり、社殿の保存状態がよく、細部まで明らかに残っている点で貴重である。
 八幡神社本殿の特徴は、まず、向拝の柱の上部にある象の鼻のように上に丸まった独特の木鼻の形にある。また、正面中央にある蟇股(かえるまた)の彫刻が二羽の鳩が向かい合った左右対称形になっている点、虹梁(こうりょう)の下に雲のような彫刻が付けられている点、内部に祭神を安置する作りつけの厨子がある点なども特徴である。
 摂社諏訪神社本殿は、八幡神社本殿と構造形式がほぼ同じであるが、向拝の木鼻が具象的でない点、虹梁に渦・若葉の絵様が施されている点、蟇股の彫刻が鷹一羽と橘で左右非対称となっている点などに特徴がある。この本殿の建築年代は江戸時代前期まで下がるかも知れない。
データ番号【ア−02】 索引【ア】


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参考文献/『伊那谷の文化財 - 飯田下伊那の特質を探る -』飯田市美術博物館発行
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