企画展準備日誌 その13 オオギンスジコウモリ

企画展 高山植物と高山昆虫からたどる
南アルプス博物学の120年

会期:2025年6月7日(土)〜8月31日(日)

高山蛾のほとんどは、7月下旬から8月中旬に発生しますが、オオギンスジコウモリは、山に秋の気配が漂い始めるお盆過ぎから発生する、ちょっと変わった蛾です。

北アルプスや中央アルプス、白山、妙高、秩父山地で見つかっていましたが、なぜか南アルプスの正式な記録はありませんでした。

オオギンスジコウモリはこんな蛾です↓

2017年9月に南アルプス南部を縦走中だったAさんが聖平で本種を見つけて写真を撮影され、南アルプスにも生息していることが明らかとなりました。

いったん生息していることが確認されると次々と産地がみつかるもので、その後の調査で荒川岳、三伏峠、熊ノ平、鳳凰三山でも確認し、南アルプスの亜高山帯上部に広く分布していることわかりました。

大型で目立つ種類でも、調査不足だと「生息していないことになってしまう」例です。

発見後ネットで情報を調べてみると、旧光小屋のウェブページにオオギンスジコウモリの写真が掲載されていたこともわかりました(現在そのウェブページは閉鎖されています)。
一部の人たちの間では、南アルプスにオオギンスジコウモリが生息することは周知の事実だったようです。

【今日の展示室】
展示室の天井から吊るすバナーが納品され、さっそく設置してみました。
展示室入口付近は、亜高山帯の苔むした森に迷い込むようなイメージに仕上がりそうです!

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