柳田国男 (濱谷浩撮影) |
三遠南信とは、豊橋市を中心とする愛知県の東三河地方、浜松市を中心とする静岡県の遠州地方、飯田市を中心とする長野県の飯伊地方の県境を跨いだ一帯です。この地域は、特に三県が県境を接する天龍川水系の山間地、いわゆる「三信遠国境地帯」を中心として、雪祭り・田楽などのオコナイ、花祭り・冬祭り・霜月祭りなどの霜月神楽、盆行事など古層の民俗文化が息づき、「民俗の宝庫」と称されています。 この地の民俗文化は、柳田國男・折口信夫をはじめ幾多の民俗学者によって早くから注目され、現地調査がくり返され、広く紹介されてきました。そして、柳田の『信州随筆』や、折口による「まれびと論」などの新たな学説、早川孝太郎の『花祭』、澁澤敬三らによる映像記録や民具研究など、民俗学史上きわめて重要な成果を生み出しました。 一方、地域内でも、自らが民俗文化の大切さにいち早く気づき、それを明らかにし伝え残そうとした者たちがいました。中央の研究者を温かく迎え入れて交流し、仲間と共に自らも調査や研究を重ね、書物や雑誌を編んで発表してきました。その伝統は今も脈々と受け継がれています。 本展覧会では、地域の内外に残る資料を数多く発掘し、三遠信地方の民俗研究史をたどることで、その民俗文化の特質をあぶり出すとともに、その将来に向けての可能性についても考える端緒としたいと思います。 |
会 期 | 平成24(2012)年9月15日(土)〜10月28日(日) |
会 場 | 飯田市美術博物館 |
観覧料 | 大人310円(250円)、高校生200円(150円)、小中学生100円(80円) *( )は20人以上の団体料金 |
観覧時間 | 午前9時30分〜午後5時(入館は4時30分まで) |
主 催 | 飯田市美術博物館・柳田國男館 |
後 援 | 三遠南信地域連携ビジョン推進会議(SENA)、南信州広域連合、長野県下伊那地方事務所、中日新聞社、静岡新聞社、信濃毎日新聞社、朝日新聞長野総局、毎日新聞社長野支局、読売新聞長野支局、南信州新聞社、信州日報、長野日報社 |
協 賛 | 柳田國男記念伊那民俗学研究所、伊那史学会 |