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大沢城跡


1.所在地 下伊那郡阿南町富草古城
2.城館の概要

古城とも呼ばれる。城林川と井戸沢との間にある小山の山頂に立地する。単郭の城で土塁・堀、麓に一の曲輪と呼ばれる館址(古地図では「本屋敷」)がある。主郭の麓には3基の井戸が確認されている。甲斐源氏の分流下条頼氏が応永年間(1394〜1428年)に築城した。吉岡城に移った1475(文明7)年までの間、居城とした。その後康氏に従って松本より来た佐々木氏が城主となり、1587(天正15)年下条氏が没落した後、廃城になったといわれる。
1975(昭和50)年開田工事に際して「本屋敷」から天目茶碗・皿・碗・鉢・擂鉢、石臼、鉄砲玉が出土した。礎石建物と多量の炭化物出土があったと報告されており、二次的な被熱の痕跡をもつ陶器片から大きな火災により廃城となった可能性が指摘されている。この他、佐々木氏が下条氏より拝領した茶釜2つが伝世している。

3.遺物の保管

個人蔵

4.文献

岡田正彦 1978 「阿南町富草古城遺跡出土の中世遺物」 『伊那』1978-3


遠望
遠望

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