南アルプス生きものがたり その1 テカリダケフキバッタ

企画展「世界最端のライチョウがすむ南アルプス」
会期:平成29年7月15日(土)~12月24日(日)
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南アルプス展ブログの更新が滞っていましてスミマセン。

今回は展示にまつわる南アルプスの生き物に関する個人的なエピソードも紹介していきたいと思って、少しづつ書き進めています。

とりあえず、第一回はテカリダケフキバッタから紹介してみます。
文字が多くてスミマセン。

 

 

南アルプス生きものがたり その1 テカリダケフキバッタ

s-テカリダケフキバッタ2016 09 10_8707

南アルプス最南部の「光岳(てかりだけ)」がこのバッタの名の由来です。光岳で発見され、その後も光岳以外ではほとんど見つかっていない、希少な高山性バッタがテカリダケフキバッタです。
世界で飯田市と静岡市でしか見つかっていないこのバッタの標本と写真を、ぜひ我が飯田市美術博物館でも保存したいという思いがあり、2016年ついに環境省の許可をもらって調査のために入山しました。

s-テカリダケフキバッタ2016 08 31_8303上河内岳

高山昆虫調査のベースキャンプにした茶臼小屋から光岳まで、往復10時間ほど。日帰りで行けない距離ではないですが、行って確実に出会えるかわらないバッタを探しに行くにはちょっと遠いなと躊躇していた時のことです。
上河内岳の山頂近くに高山植物が咲き乱れる急傾斜なお花畑があって、季節はちょうど夏の花盛り。タカネマツムシソウやホソバトリカブト、タイツリオウギ、タカネナデシコなどの花々が咲き競っておりました。花々にはマルハナバチやナカトビヤガが訪れ、足下ではアカイシコバネヒナバッタが跳ねます。ニホンジカの食害でひどい状態のお花畑が多い南アルプスですが、この場所は急傾斜のためか食害が目立たず、残された楽園のような雰囲気の場所でした。

s-テカリダケフキバッタ2016 08 31_8460上河内岳

花に来る虫たちの写真を撮影しているそのとき、ちょっと雰囲気の違うバッタが目に入りました。何だろうと思い、なにげに捕まえようとしたところ、真剣味が足りなかったのかうかつにも逃がしてしまったのです。逃げられたバッタを思い出せば思い出すほど、どうもテカリダケフキバッタではなかったかと思えてきて、2日後に再びここを訪れ大捜索を行いました。その結果、成虫1♂と多数の幼虫を発見することができました。

s-テカリダケフキバッタ2016 08 31_8312上河内岳

光岳に次ぐテカリダケフキバッタの多産地の発見でした。この発見のおかげで、光岳までの往復10時間の遠征は行わずにすみました。今年はさらに北部で新たな産地を発見すべく、南アルプスの稜線を探索し、この南アルプス固有種の分布域を明らかにしたいと思っています。(四方)

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